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予定などを書置きしておく場

最終更新 2026/08/19

シナリオの予定も出ていましたね。
はたして参加してくれる囚人さんたちがいるのか、そこが不安でしかない。

本当はXやらで告知とか精力的にやればいいのだろうけど、アカウント管理ができる気がしないのと距離感バグりたくないので、ひっそりひっそり。

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昔書いていた某作品の二次創作
色気全く無いBL。メリバ…でもないな。

 『はざま』と呼ばれる場所がある。

 生の世界では天国とも地獄とも言われる場所、生の世界を終えて次の生に備えるための準備をする場所、といえばいいのだろうか。その場所にいる者たちは次の生の為に、過去の汚れを浄化して無垢な存在としてまた地に還る。つまりここに到着したばかりの者ほど過去の世に捕らわれ、新たな世の準備ができた者ほど過去の記憶が失われている。そんな場所だ。

 俺はその魂達を管理する監督者である。どのぐらいこの仕事をしているかは忘れた。時間なんて気にしてられる程、短い期間じゃねえのは確かだ。

 そして今、新しい魂の担当を言い渡された。

 やってきた魂は享年15歳、名を✕✕✕と伝えられる。まだ若々しいエネルギーに溢れた魂だった。それ以外の情報は特に伝えられない…情報は必要ねえからだ。情報は魂に語らせればいい。語るという行為が、記憶の消去に繋がる。つまりはおしゃべりな奴ほど輪廻までのスパンが短いって事だ。

 ただしどういう法則かわからねえが、名前を忘れるのは一番最後と決まっている。名前を忘れた時がその時だと、仕事面で言えば楽っちゃ楽なんだが。名前というのは、生の世界に縛りやすいものなんだと誰かが言っていた気がする。
 ともかくこれから✕✕✕が、己の名前を忘れるまでの間、俺はこいつと共に生活をすることになる。多くの記憶を語らせ捨て去る為に。

「お前はどうして死んだんだ」

 仕事の第一声はたいがいこれから始まる。人にとって一番忘れたいのは死に際の様が多いからだ。✕✕✕は小さく唸った後、ただ薄く笑みを浮かべるだけで答えない。

「なんだ、覚えてないのか?」
「……」

 基本、魂というのは自己主張が激しい。だがこいつは違うようだ。ただ笑い、首を傾げ、喋る事を拒否しているように見えた。つかみどころが無いし会話を引き出せないので、こいつは骨が折れそうな案件だと思った。

「てめえは何故語らない」

 記憶に関わらない質問を投げてみることにした。

「喋ると忘れると聞いて」

 輪廻転生のシステムは、俺の様な監督者にわたる前に必ず一通りの説明をうける。説明内容は多岐にわたるが、簡単にいっちまえば『転生すれば次の幸せがまってるよ★』的な洗脳を受ける。『幸せ』という、物差しで測れん幻想に縋らせ記憶を奪う。魂は本能的に『幸せ』を求めてしまうものだから。

「忘れたくねえ事があるのか」
「ええ」

 即答される。声、という概念は無いが、魂の力強い意志が感じられる。こいつは手なずけるのはやはり難しそうだ。と、思った矢先だった。

「貴方は俺が転生したほうがいいと思いますか?」

 逆に質問をされる。

「そりゃ、ここに止まってたとしていいことは無いだろ」
「どうしてです?」
「15歳で若死にしてる魂が幸せだったとは思えねえ。なら次の生で今世の分も幸せになればいい」

 俺の言葉には同意を示せないのか首を横に振る。
 大事な記憶に抵触しないように、言葉を選んでるように、魂が迷ってるように見えた。

「貴方は俺の事を覚えてないですか?」
「…?」
「監督者は、世に未練がありすぎる者がなる…と。別の魂の汚れを御祓、その長い過程で俺達同様転生するんだと聞きました」
「それは誰から聞いた」
「前の担当者からです。俺、他の人には喋らないと、貴方を指名して担当替えしてもらったんですよ」
「…」

 つまりは、こいつは生きていた時の俺を知っていると言いたいのだろう。

「……やっぱり覚えてないんですね」

 魂は残念そうに蒼白い光を放つ。

「俺を知っているのか」
「…ええ。だから俺今幸せなんです。貴方に会えたから。ああ、でもこれ言っちゃうとこの幸せも忘れちゃうのかな」

 魂が蒼白く色を発する。これは浄化という名の忘却の合図。

「これから俺の事を話します。…そして先に待ってます。貴方がここから開放されるのを」

 魂は語り始める。壁の中の世界で味わった苦悩の日々を。それは15歳という人生にしては長く重い物語だった。あちらの世界の何日間だろう、数日間という期間話につきあった。話す度に徐々に消えていく記憶に戸惑いながらも、こいつは話す手順を組み立てていた。

「ああ、もう残ってない。たった2つ以外」
「なんだ」

 これが最後ですね、と✕✕✕は告げる。

「俺の名前と、俺が愛した人の名前」
「15で愛を語るか」
「年齢なんて関係ないです。生きていた時に伝えられなかったから、代わりに聞いていただけますか?」
「ああ」

「■■■■さん、俺、貴方の翼になりたかった。今飛べない貴方の代わりに、俺が羽になりますね」

 そういうと、魂は金色に輝く。浄化が終了し最後の名前の忘却が完了した証拠だ。
その魂は直ぐさま次の転生準備にはいる――つまり、俺の手元から離れる。
 俺の元から消えた魂の残り光を見つめながら、俺自身の何かが震えるのを感じた。

「言うのが遅えよ」

 監督者。それは思い残しが強すぎて転生できない魂の慣れはて。はざまの世界で黒い鎖に捕らわれた人に戻れねえ魂の事をいう。
✕✕✕が消えたその時、俺に絡まっていた鎖が解けた。一気に流れ来る後悔に満ちた記憶。そして忘れたくなかった感情を取り戻して目頭が熱くなる。

「次は俺から言わせろ、くそガキが」:畳む



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